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冬に備えて、温めておく ― 秋の発酵風呂という養生

発酵人間では、酵素風呂の魅力をより客観的に知って頂くために、
伊藤教授とコラボコラムを毎月配信しています。
是非東洋医学の目線からみた酵素風呂の魅力を感じて下さい。

明治国際医療大学 地域健康コミュニティ寄附講座

秋の冷えは、「冬の不調の前借り」

朝晩の空気が、ひんやりと感じられるようになってきました。
東洋医学では、秋は「金」、五臓の「肺」が関わる季節とされ、空気が乾きはじめるとともに、のどや鼻、皮膚のトラブルが出やすくなるころです。

加えて、日中との寒暖差が大きくなるこの時期は、身体が絶えず体温調節を迫られ、自動車でいうアクセル役の交感神経ばかりが踏まれた状態になりがちです。
なんとなくだるい、寝ても疲れが取れない、気分が晴れない。

こうしたちょっとした不調は、病気とは言えないけれど健康とも言えない「未病」の段階からの、身体のサインだと言えるでしょう。

ここで冷えを抱えたまま冬を迎えてしまうことは、いわば未来の自分の健康を前借りしているようなものです。

秋は、冬に向けて「蓄える」季節

そこで取り入れていただきたいのが、発酵風呂(酵素風呂)です。
米ぬかやおがくずが微生物の働きによって発酵するときの熱を利用したもので、お湯を使わず、身体を包み込むようにじんわりと温めていきます。

特徴は、その熱がゆっくりと深部にまで届くところにあります。

身体が芯から温まると血管がひろがって巡りが良くなり、夏のあいだに溜め込んだ疲れや老廃物が、汗とともに流れ出ていくとされています。

同時に、やわらかく温められた身体は自然とゆるみ、アクセルからブレーキへ、副交感神経が優位な状態へと切り替わりやすくなります。
自動車にたとえるなら、寒い朝にエンジンを温めておく暖機運転のようなもの。
秋のうちに巡りを整えておくことこそが、冬の寒さに負けない身体づくりの第一歩となります。

無理なく、心地よい範囲で

利用するときは、入る前と後にこまめに水分をとり、心地よいと感じるところでやめておくことが大切です。
汗をたくさんかくほど良い、というものではありません。
秋は乾燥の季節ですから、湯上がりの保湿もあわせて心がけたいところです。
頻度も、週に一度でも、月に一度でも構いません。
出かける余裕がない日は、38〜40度のぬるめのお湯に、就寝の1〜2時間前にゆったり浸かるだけでも、同じ方向の養生になります。
生姜や大根、ごぼうといった土の中で育つ根菜のお味噌汁を一杯いただければ、内側からも温まっていくでしょう。

続かない日があっても、自分を責める必要はありません。

疲れている日にしっかり休むことも、立派な養生の1つです。
完璧を目指すのではなく、できるときに、できることを。

何かを足すよりも、夏の疲れと緊張を引き算しながら、身体を温める時間を暮らしのなかに少しずつ取り戻していく。
その日々の積み重ねこそが、冬をやわらかく迎えるための近道と言えるでしょう。
この秋は、身体をポカポカと温める時間をつくってみては如何でしょうか。