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【4月のコラム】酵素風呂で夏に向けた身体を作ろう ~明治国際医療大学 鍼灸学部・教授 伊藤和憲~
東洋医学では5月から夏が始まると考えられていますが、
4月はまだ体が冬の状態にある人も多く、季節の切り替えに向けた準備が大切な時期です。
冬は体内で熱を生み出して寒さに耐える働きが優先されますが、
夏は余分な熱を外へ逃がす力が重要になります。
そのため、暖房から冷房へ切り替えるように、体も「夏モード」へと整えていく必要があります。
その中心となるのが、「発酵風呂」を活用して汗をかく習慣です。
発酵風呂は、微生物の働きによって自然に発生する熱で体を温めるのが特徴で、一般的なお湯の入浴よりもやわらかく、体の深部までじんわりと熱が伝わります。
この深い温まりによって血流が促進され、冬の間に縮こまっていた血管や筋肉がゆるみ、滞っていた代謝が動き出します。
特に冬の体は、血管の収縮やエネルギーの蓄積により、老廃物がたまりやすい状態です。
発酵風呂でしっかり汗をかくことで、それらを体外へ排出しやすくなり、体の「大掃除」ともいえるデトックス効果が期待できます。
さらに、体の内側から温まることで内臓の働きも活発になり、全身の巡りが整っていきます。
また、東洋医学では春に「苦味」のある食材をとるとよいとされています。
山菜や緑の野菜に含まれる苦味成分は、胆汁の分泌を促し、消化や老廃物の排出を助けます。
発酵風呂による発汗と組み合わせることで、体内の巡りと排出の流れがさらに高まり、肝臓の負担軽減や春特有のだるさの改善にもつながります。
加えて春は、寒暖差や環境の変化で自律神経が乱れやすい季節です。
発酵風呂のやさしい温もりは副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果も期待できます。
同時に、眠っていた汗腺を目覚めさせることで、夏に向けて汗をかきやすい体をつくる準備にもなります。
このように、発酵風呂は春から夏への移行期において、体を整えるための非常に有効な習慣です。
早めに汗をかける体を育てることで、暑さに強く、季節の変化に対応できる健やかな体づくりにつなげていきましょう。